こんにちは。私は心電図検定1級にいきなり一発合格し、総合病院で診療放射線技師として、循環器やOpe室、IVRに従事しています。私の病院では、心カテ室では放射線技師がIVUS操作や、物品準備、清潔野でのバックアップを行っています。本日は、4月から異動や新人として心カテ室や循環器に従事する看護師さん向けに、”働く前の心構え”を記事にできたらと思います。

①カテ室は薄暗く、緊張感のある部屋
カテ室に入ってまず、驚くことは、重い扉を開けた瞬間、独特の「消毒液と機械の入り混じった匂い」に圧倒されていませんか?
ポリグラフに映る無数の波形、飛び交う専門用語、そして何より「一瞬のミスも許されない」という空気感。
僕も心電図検定1級取得した放射線技師として、少しでも順調なスタートダッシュが切れるように、おすすめの参考書や立ち回り方を記事にしたいと思います。カテ室は「経験」と「慣れ」です。 最初の1ヶ月を乗り切るための、最短ルートを教えます。
②最初の1週間は「波形」よりも「医師の動向」を見ろ
心電図を読もうとするのは、まだ先でいいです。看護師の心臓カテ室での仕事は、波形を読めなかったとしても”業務をこなす”ことはできます。心臓のプロとして心電図に触れる前に、まずは「現場の空気」を読みましょう。まずは”PCI”や”診断カテ”などの検査名や手技の内容を覚えるところから入りましょう。
医師の手元とモニターの連動: ガイドワイヤーが進んでいる時、バルーンを膨らませている時……医師が「今、まさに治療を行っているな」という瞬間を肌で感じてください。その時だけは、余計な報告で遮らないようにしてください。
「音」に敏感になる: 正常な心拍音、期外収縮の連発、そして一番怖い「静寂」。耳で状況を判断できるようになると、動揺が消えます。
③1級技師が断言。これだけは初日に叩き込め「3つの波形」
教科書を全部丸暗記する必要はありません。カテ室で「これを見逃したら死ぬ」という波形は3つだけです。
- ST変化(上昇・低下): 虚血のサイン。「あ、上がってる?」と思ったら、迷わず声に出して。技師も医師も、あなたのその一言を待っています。バルーン拡張時なども、「ドクター、ST上がってます。」と言えれば心強いです。
- VT / VF(心室頻拍・心室細動): 言わずもがなの致死的不整脈。これは「知識」ではなく「反射」でDC(除細動器)に手が動くレベルまで叩き込みます。DCに手を動かしながら、何Jかをドクターに聞くのがベストです。ショック時は、周りをよくみて声掛けを忘れず行ってください。
- 徐脈(Bradycardia): カテーテルやガイドワイヤーが迷走神経を刺激した時の急激な心拍数の低下にも注意です。ローター中や、ダイアモンドバック中も、よく徐脈になります。その時に使う薬剤なども把握しておきましょう。
僕が合格した時にボロボロになるまで使った「心電図の教科書」はこれです。
この本は、心電図の入門書です。他の記事でも紹介していますが、超素人から始めるならおすすめの参考書になります。ページ数も少なく、代表的なものを詳しく説明してくれているため、これ一冊読めば、心カテ室に勤務することになっても十分やっていけるでしょう。
④技師を「味方」につけるのが、一番のショートカット
カテ室で一番長くモニターを見ているのは、僕ら放射線技師(もしくはMEや臨床検査技師)です。
私の病院では、MEと検査技師は常駐していないため、清潔野でのバックアップや、IVUS操作、管球操作などすべてが放射線技師(清潔野と不潔野の2名)が行っています。
心カテ室に、来たばかりでは、分からないのは当然です。むしろ、技師に聞きまくってどんどん検査に慣れていってください!
- 「わからない」を恥じない: 「今の波形、何が起きたんですか?」と検査後に聞きに来てくれるナースを、嫌う技師はいません。むしろ「やる気あるな!」と、次からこっそり裏情報を教えたくなります。
- 連携のコツ: 僕らはあなたの「急変時の動き」を全力でバックアップします。技師を味方につければ、カテ室の怖さは半分になります。

⑤もし、どうしても「ここじゃない」と感じたら
ここまで書きましたが、カテ室には「向き・不向き」が確実にあります。 放射線の被ばくへの不安、閉鎖的な空間でのストレス……。
「せっかく配属されたんだから、3年は頑張らなきゃ」なんて思わなくていいんです。 心電図を学ぼうとしたその意欲があれば、どこの病院でも即戦力になれます。
看護師の妻を持つ身としても、FPの視点で見ても、精神を病んで休職する損害は計り知れません。 「もしもの時の逃げ道」として、僕の妻(看護師)も登録している転職サイトを覗いておくだけで、心の保険になりますよ。
⑥5月の連休を笑顔で迎えるために
今はまだ、鉛のプロテクター(防護衣)が重くて肩腰がバキバキになり心の余裕もないかもしれません。私も、今でも1日中プロテクターを着ていると、肩と腰が本当にきついです。
でも、1ヶ月後。カテ室のモニターを見て「あ、今の波形やばい」と自分で気づけた時、あなたはもう立派なカテ室ナースです。
心に余裕ができる日は必ず来ます。一緒に頑張りましょう。


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